デレマスのブログ

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【デレマス】憧れへのステップ とは【乙倉悠貴】

 今回の記事は、前回のプロフィール紹介では触れなかった部分について着眼していきます。前回のプロフィールをご覧になってない方は是非先にお読みください。下のリンクから飛べます。

 

【デレマス】プロフィール紹介【乙倉悠貴】 - いものブログ

 

 彼女に関して僕が一番伝えたいのは、"可愛いものへの憧れ"という点です。彼女のことを語るにあたって、このことは欠かせません。

 ここで、これに疑問を感じる人もいるかもしれません。憧れ、ということはつまり可愛いものにはまだ到達できていないという風に読み取れます。しかし、世間からの評価を客観的に見ると、乙倉悠貴は既に可愛い存在として認識されているように感じます。そもそも属性からしてCuteですし。これらの二つの事柄からは、「可愛いのに可愛くなりたい」という矛盾をはらんだような事項が浮き出てくることでしょう。その齟齬を、担当として明らかにできればと思います。

 

 アイドルになった理由として、彼女は「テレビで見た自分より背の高いアイドルの可愛さに憧れたから」と言っています。このアイドルは、諸星きらりさんであるという説があります。そもそも、彼女はこれまで自分の背の高さについてコンプレックスを抱いていました。席や並び順が後ろになったり男子にからかわれたりするなど、背が高いことによるデメリットが目立ったのです。その上、「背が高いと可愛くない」と彼女は言います。これには、アイドルになる前にジュニアモデルの経験があったということが関わっています。スクラップブックを見て可愛い服に憧れていた彼女を見た彼女の母が、モデルになることを勧めてくれたそうです。しかし、背が高いことによって、ボーイッシュな服や大人っぽい服を着せられることが多かったようで、「可愛い服が着たい」という願いは叶わなかったのです。このことから、彼女の中に「背が高いと可愛くない」という認識が生まれました。自分にはかっこいい要素しかなく、可愛い要素は手の届かない遠い存在だと思うようになりました。

 彼女にとってアイドルのオーディションというのは、遠くに行ってしまった可愛いものへのアプローチの第一歩であると言えるでしょう。他にも、背が高いことへのコンプレックスが解消される様はいくらか観測できます。

 彼女は宣材写真を撮影する際、「背が低く見えるように撮ってほしい」とお願いしています。このことから、「背が高いと可愛くない」という認識をまだ持っていることが窺えます。そのような彼女に対して、プロデューサーは「そのままで大丈夫だ」と言います。デレステのプロデューサーは、どのアイドルに接するときも一貫して「自分らしく」ということを強調しますが、自分にそれほど自信を持っていない乙倉悠貴に対しては極めて的確なアドバイスであると感じます。撮影を終えた彼女は「モデルのころと違ってリラックスして撮影できた」と言っています。彼女にとっては、自己肯定感を高められた素晴らしい経験なのではないかと思います。

 多少話は逸れるのですが、彼女にとってモデル仕事とはどのようなものだったのか少し言及したいと思います。宣材写真の撮影はリラックスできていて、それはモデルのころとは違うとのことでした。これはつまりモデル時代はリラックスできていなかったということではないでしょうか。また、オーディションやラジオなどでモデル時代の話題になると、「周りに勧められたから」だとか「背が高いから」と言って、消極的な面を見せることが多いです。それもやや食い気味に。これらのことから、彼女はモデル仕事が好きでない、あるいは嫌いとまで言ってしまってもいいのかもしれません。彼女は同年代の同僚アイドルにも敬語・さん付けで接するという大人びたふるまいを自然にしてしまう人間でもあるので、不本意な衣装を着させられても弱音を吐けなかったということは十分想像できます。そんな彼女にとって、アイドルになって可愛い衣装を着せてもらえるということは一種の救済とも言えるのではないでしょうか。

 コンプレックスの克服に話題を戻します。ユニット「Love Yell」の仕事で、悠貴は本番で着るウェディングドレスを決めかねていました。その流れで、同ユニットの諸星きらりさんが悠貴にミニ丈のドレスを勧めるのですが、身長が高い人には似合いにくいという理由で悠貴は着ることを躊躇し、コンプレックスの片鱗を見せます。それに対してきらりさんは「可愛くなりたいなら可愛くしてもいい」と応えます。きらりさんも身長が高いため、似合いにくい衣装を着てもいいか迷った経験があるらしいのです。だからこそ、このアドバイスは悠貴の心に刺さったのです。そして悠貴はより「自分らしさ」に対して胸を張れるようになりました。

 仕事以外の場でも悠貴の成長は見られます。 早坂美玲さん、城ケ崎莉嘉さんと原宿で遊ぶということがありました。その際、美玲さんと莉嘉さんは悠貴に対して「カッコイイ」や「うらやましい」という発言を、純粋に褒める気持ちと共にしました。一見喜ばしいことにも思えますが、ここまで呼んでくださった方なら、手放しに喜べないことは分かっていただけるかと思います。実際、年の近い同僚アイドルに対してどのように振舞うべきかと困ったのか悠貴は狼狽した様子を見せ、そして「カッコイイより可愛いがいい」という思いを吐露します。それを聞いた美玲さんは、その発言に疑問を抱いたようで、「ユーキはカッコイイところも可愛いだろ?」と何気なく言いました。莉嘉さんも「すっごいスタイルいいのに、すっごい女の子っぽいじゃん?それって、すっごいよね!」とそれに続きました。それらの発言に恥ずかしがり走って行ってしまう悠貴はどれだけ嬉しかったのでしょうか。年上アイドルやプロデューサーなどとはまた違い、10代前半の無垢なアイドルから可愛いと言われることはまた特別な嬉しさがあるのでしょう。

 これらのように、悠貴はアイドルになる前に比べて自分をより肯定できるようになりました。

 

 彼女と可愛いものを隔てるもう一つの要素として、年齢があります。

 正確に言うと、"彼女が自分の年齢に対して感じていること"とでも言えばいいのでしょうか。彼女は、服装に関して大人っぽく見られる反動なのか、年齢によって自分の行動を制限してしまう傾向にあります。

 アイドルになってすぐにあったビジュアルレッスンでは、子供っぽい演技と指示されると「私がやってもいいのか」と嬉しがると共に驚くといった様子が見られました。モデル時代に大人っぽい服を多く着せられていたからだということです。

 また、おしゃれなスムージーのお店に入りたくても「中学生が一人で入っていいのだろうか」と思い、踏みとどまってしまうといったこともありました。きらりさんと菜々さんの同伴によって念願がかなった時にはとても嬉しがっていました。その出来事から、きらりさんは悠貴の中に"我慢"を見出し、他にもやりたいことがないかと聞いてくれました。そして美玲さんと莉嘉さんのエピソードへと繋がります。原宿で遊ぶことも"我慢"の一環だったのです。

 我慢と言えば、スクラップブック作りにもそれが表れているように思います。可愛い服や小物を、買うのではなくスクラップブックの写真などを見て楽しむことだけにとどまってしまっているのではないでしょうか。これも年齢の抑圧によって、欲しい物が売られているお店にも入れなかったことによる弊害であると感じます。

 これらのように、「子供っぽいこと」と「大人っぽいこと」のどちらにも少し抵抗があり、上からも下からも抑圧された状態になっています。年齢により雁字搦めになっているとまで感じます。

 

 以上のように、彼女の心の中には13歳とは思えないくらいの複雑な気持ちがあるのです。

 

  さて、8月末、デレステに[憧れへのステップ]乙倉悠貴が実装されました。

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特訓前のイラストでは、ブティックにて新田美波さん、城ケ崎美嘉さん、宮本フレデリカさんに囲まれながらハイヒールを履いています。もともと悠貴はハイヒールの大人らしさに憧れており、その念願が叶った状況であります。しかしこの念願が叶ったのは先輩アイドルお三方のおかげであるのです。アイドルの先輩方は大人っぽいのに可愛いから、憧れずにはいられないのだと言います。ここから察するに、今までの悠貴の中での「大人っぽさ」というのは「かっこいい大人っぽさ」だったのではないでしょうか。しかし「大人っぽさ」と「可愛さ」を兼ね備えた先輩アイドルを間近で見ることで、「大人っぽさ」への抵抗が薄れています。そして、大人っぽく見られることも前向きに活かせるのではないかと、今までには無かった思いを持ち始めます。モデル時代の自分をある種苦しめていたとも言える「大人っぽさ」を肯定的に捉えられる段階まで成長し、更にそれを武器として利用しようとする悠貴は、アイドルとしての輝きがさらに期待できることでしょう。

 

 

 最後になりますが、ここまでお読みになって、若干ネガティブな気分になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。コンプレックスや弱みと感じている部分を露わにされているのを目の当たりにして、思ってた人物像と乖離していたということもあるかもしれません。しかし、乙倉悠貴にとってのアイドル生活とは成長そのものであり、13歳の彼女の心の強さ、誠実さに是非目を向けていただければと思います。

 担当として、彼女が彼女らしい可愛さを持っていることは理解しています。だからこそ、その可愛さの裏にある彼女の思いというものを皆さんにも知ってほしいと思っています。